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ゴッホとゴーギャン展

先日,愛知県美術館でやっていた「ゴッホとゴーギャン展」に行ってきた。
http://www.g-g2016.com/aichi/


昨年末に東京でやっていて,今愛知。巡回展で次どこかは知らない。

大盛況だったからあまりゆっくり見れなかった。

そして,絵は別によかったのだが,私は展示の構成に少し不満を持った。
解説が初学者にはあまり優しくなかった。
また,構成の意図がわかりにくかった。
彼らの人気にあやかって,若干手抜き?と思ってしまった。

私の興味を一番引いたのは,最後の年表だった。
ゴッホの年表を見ていると,なんだか「かわいそうな人」のように思えてきた。

また,もともとはゴッホよりもゴーギャンが好きだと思っていたのだけれど
今回の展示ではゴーギャンよりもゴッホの方が印象に残った絵が多かった。

その日はなんとなくすっきりしない気分で展示を後にしたんだけど
だんだんとゴッホのことが気になり始めた。

女性に振られまくるし,どこいってもうまく働けないし,画家を志したのは27歳だし,
弟にお金もらってたし,ゴーギャンとはうまくいかないし,精神病だし,37歳で自殺しちゃうし・・・・

なんなの。(笑)



結局,ゴッホの本を買って,ドキュメンタリー映画を見た。

本は,圀府寺司(こうでら つかさ)さんの「ゴッホ 日本の夢に懸けた芸術家」というもの。
こうでらさんは今は広島大学の教授で,ゴッホとかの研究をされているようだ。


この本はめちゃくちゃよかった。。

絵画写真もカラーで掲載されてるし,ちゃんとした研究に基づいて書かれている。
もともとゴッホは手紙魔で,大量の手紙が残っているので
その手紙を引用しながら,ゴッホの人生と,絵が描かれた背景について詳しく解説している。
どうしてこの絵が生まれたのか,このモチーフはなんなのか。
史料を元にした筆者の解釈がとてもわかりやすい。

何より筆者のゴッホ愛が伝わってきて,読んでいて楽しい。
それはゴッホを賞賛するんじゃなくて,「ゴッホはこういうところあるから…はあ。しょうがないよね。」みたいな
すこしdisりつつも,そんなところが愛おしい,みたいなところがいい。(笑)

これを読んだらなんかゴッホのことめちゃくちゃ好きになってしまったわ。笑
ほんと残念な人だよ,この人は・・・。近くにいたら嫌だろうけどね。笑

映画の方は,2009年の「ゴッホ:天才の絵筆」っていう海外ものなんだけど
これはあんまりよくなかった。。
和訳(字幕版)の問題もある気もするけど。


そんで結局思ったことは,「ゴッホとゴーギャン」ってくくりでやった展示だったけど
思ったほどゴッホとゴーギャンのつながりって濃密じゃないんだよね。

一緒に暮らしたの2か月だし。
ゴッホは南仏のアルルを楽園とみなして,夢いっぱいで始めた生活だったけど
ゴーギャンはお金に困ってたから身を寄せただけであって
思想や構想が共有できていたわけではなかった。

そこがあの展示の違和感の一番の原因だったかもしれない。

「ゴッホという画家,ゴーギャンという画家を同時に紹介する展示ですよ。」
ってことなら,たぶん普通に見れたと思う。
「ゴッホとゴーギャン展」っていう名前から私は,彼らの「つながり」が
浮かび上がる展示なのかな?って期待しちゃってたところがあった。

もちろん,まったくないわけではなかったけど・・・。
見ていて,なぜか私は二人の温度差を感じてしまった。
見る人によっては,二人の心の交流とかを感じることができたんだろうかー。



結局,こうしてゴッホについて知って,また展示を見たくなっているという。(笑)

もう一回行っちゃうかも。


こうやって考えたら,ゴッホとゴーギャン展,完全に成功してるよね。笑

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穂村弘「はじめての短歌」

めちゃくちゃ面白い本を読んでしまった。

穂村弘 「初めての短歌」(河出文庫)



最近短歌にも興味を持つようになりまして。
というのは,結構詩歌の雑誌とかって,短歌も一緒になってくるんだよね。

で,短歌なんてあはれなもの私とは縁がないわ。
って思っていたけれど,この穂村弘さんという人の作る短歌は
今までのイメージとだいぶちがった。。。
新しい時代の短歌,という気がする。

短歌と言えば誰もが知っている俵万智さん。
「サラダ記念日」は教科書にも載っていてあまりに有名。
みずみずしくて透明感のある素敵な短歌。

穂村弘さんも今や日本の短歌界を牽引するスーパースターなのだけれど,
また俵万智さんとは違う流れというか
「教科書向き」な感じじゃないんだけど笑,サバイバル感,生きている感がある。


この本には,穂村さんご自身が作られた短歌は掲載されていないけれど
穂村さんの考え方はよく伝わってくる。
「生きのびる」ためではなく,「生きる」ための言葉,それが短歌。

巻末の山田航さんの解説に,「これはビジネス書だ」って書いてあるけど
本当にそうだと思う。
「短歌は役に立つ」。そう思う。(詩はそんなふうに思わなかったんだけどw)

ちょっと前に読んだ,平田俊子さんの「詩、ってなに?」というムックの企画で,
詩人じゃないいろんな人に詩をつくってくれっていう手紙を送るっていうのがあったんだけど
その後平田さんがご自身のTwitterで,
「政治家の心に詩があればこの国はもう少しよくなるのではないだろうか」
ということをつぶやいておられて,ほんとうにそうかもしれないなあって思った。


前回の記事と内容が重複するけど,
私もほんの1年くらい前まで,詩とか短歌とかに全く無縁の生活を送っていて,
ビジネスとか社会とか効率とかそういうものに一番価値を置いてた。
成果ももちろんそれなりに出して来た。
自分で言うけど笑,人からすごいね,さすがだね,って言われるような人間。

今もそれは大切なことだと思うけれど,徹底的な無駄の排除じゃなくて
生きる力も大事だと思う。「生きのびる」ためじゃなくてね。
両方あったらいちばんいい。片方だけ秀でているのも素敵なことだ。

今までビジネスのメガネで見ていた世界を,詩歌のメガネで眺めると,
新しい発見がいろいろあって楽しい。
これからは会社のクソみたいなできごとを短歌にしちまおうかと思う。笑


で,この本を読んで,私も短歌作りたいと思いました。

短歌なんてね。作れないだろうと思うだろうけどやってみる前に否定するのは悪い癖だ。
だからやるよ。とりあえず。

ふだん全然詩を作らない人に「詩,作ってみて」って言ってみんなが作ったら
どんなに楽しいだろうと思う。
評価を求める作品ではなくて,楽しみ味わうための創作。
それが人間として「生きる」ことにつながるんじゃなかろうか。

世界がどんなに変わっても,人の言葉には心を動かす力がある。
そんなことを感じたのであった。


余談だけど,この本のカバーデザイン,寄藤文平さんなのね。
寄藤さんと言えば,私の好きな「元素生活」や「ウンココロ」の人。
寄藤さんってこういうデザインもされてるんだなあ。。。
勤行集みたいなデザインだ。。。(いや,短歌集風のデザインなのか・・・)
良いと思います。


とても良い本からのスタートでした。

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